硯の選び方❷〜硯の基礎知識⑤〜

硯のサイズについて

中国の硯は縦の長さをインチで表す。インチは漢字で「吋」と表記される。「吋」の字は音読みがトウ・スン訓読みはインチとある。ちなみにセンチメートルは漢字で「糎」ミリメートルは「粍」キロメートルは「粁」フィートは「呎」となるらしい。「吋」の意味は①インチのほか②叱るの意味もあるとのこと。

1インチは2.54センチ。インチより縦横高さをセンチ表記することが多くなってきており、「吋」の漢字も硯が好きな人以外はあまり使われないような気がする。

いずれにしても半紙書きの場合四から六インチ程度、条幅を書く場合八インチ以上が目安となろう。

日本の硯の場合は「四五平」（しごひら）（幅二・五寸×長四・五寸）などと呼ばれ寸で表されてきたが現在では縦横高さをセンチで表記されるのが一般的となってきている。

※度（たび）は一・五寸、平（ひら）は二・五寸。（天来書院『筆墨硯紙事典』より作図）