和紙とは?〜紙について〜 | 文房四宝 雲岑堂

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和紙とは?〜紙について〜

身近だった和紙

和紙と言ったら皆さんは何を思い浮かべるであろうか。自分は書道具店を営んであるからまずは半紙や条幅などの書道紙なのだが。お茶やお花で着物を着る方なら懐紙だろうし、神社に行けばしめ縄や鳥居に「紙垂(しで)」がぶら下がっている。お寺に行けば「襖」や「障子」。神社やお寺の「お守り」の中身や「おみくじ」など。慶事の「熨斗(のし)袋」や仏事の「香典袋」、結婚式やお通夜、展覧会などの受付には和紙で出来た「芳名録」と筆ペンが置いてある。子供が貰う「お年玉袋」に古風で美しい「千代紙」。大河ドラマの「光る君へ」の影響から和紙や料紙と小筆に魅力を見出している方もいるだろう。案外今でもいろんなところで和紙が使われている。

雲岑堂のある東京都港区は今ではマンションだらけになってしまったが、自分が子供の頃はまだ数多く戸建て住宅があり、必ずと言っていいほど和室があった。古い家はリビング以外は全て和室で、当然「襖」や「障子」があり和紙で溢れていた。子供の頃は親のする障子張りを見たり、手伝ったものである。また、天ぷらを揚げるときは揚がった天ぷらを半紙などの和紙で余分な油を吸わせたりしていた。

和紙の魅力

少子化の影響からか文具メーカもノートや手帳なども子供向けの低価格品ばかりでなく大人をターゲットにした高級品を出すようになった。万年筆で書いても納得のいく書き心地だったりする。しかしなぜか新年を迎えるために用意するお年玉袋や、あえて使うようにしている和紙の葉書で書く年賀状を見ると新鮮な気分になる。こういう時日本人を実感する。何か清々するのだ。これは和紙の持つ不思議なパワーである。印刷物などには大変向いている洋紙とは決定的に違う点だと思う。和紙の持つ魅力は後世に伝えて行かねばと思わされてしまうのは自分だけであろうか。

紙: 因州産 書道半紙 白椿 
筆:豊橋筆 伝統工芸士 川合福瑞作 兼毫5号
墨:純菜種油煙墨 良寛 3丁型

皆さんにもぜひお勧めしたいのは、身近にある和紙工房や和紙の里、和紙資料館等に出掛けて行って和紙に触れていただいたり、紙漉き体験をしていただきたいものである。和紙の魅力がなお一層深まるに違いない。

この記事の著者

雲岑(Un-shin)

1964年生まれ。学校の習字の時間は苦手だったが、小学生の時分よりくずし字等に興味があった。大学卒業後都内某信用金庫に勤務。令和に入り、写経をきっかけに書道に興味を持ち、コロナ禍の自宅待機の機会に独学で書道に没頭し始め、硯で墨を磨ることが楽しくなる。2023年定年を前にサラリーマン生活に別れを告げ、同年9月より書道用品店を開業する。残りの人生を書道具の販売を通して書道文化の継承発展に寄与したいと考えている。

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